【 BOOK】「茶色の朝」
【 BOOK】「茶色の朝」物語:フランク・パヴロフ、絵:ヴィンセント・ギャロ、メッセージ:高橋哲哉(てつや)、訳:藤本一勇(かずいさ)
2003年12月8日初版
メッセージ:高橋哲哉(てつや)
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◉考えつづけること
「茶色の朝」を迎えたくなければ、まず、最初に私たちがなすべきこと
、、、、、それはなにかと問われれば、【思考停止をやめること】だと私なら答えます。なぜなら、私たち「ふつうの人びと」にとっての最大の問題は、これまで十分に見てきたとおり、社会のなかにファッシズムや全体主義につうじる現象が現れたとき、それらに驚きや疑問や違和感を感じながらも、さまざまな理由から、それを【やり過ごしてしまう】ことにあるからです。
やり過ごしてしまうとは、驚きや疑問や違和感をみずから封印し、【それ以上考えないようにする】こと、つまり思考停止してしまうことにほかなりません。「茶色の朝」を迎えたくなければ、なによりもまずそれをやめること、つまり、自分自身の驚きや疑問や違和感を大事にし、なぜそのように思うのか、その思いにどんな根拠があるのか、等々を考えつづけることが必要なのです。
思考停止をやめること、考え続けること。
このことは、じつは、意識を眠らされていないかぎり、仕事や生活や社会的責任の違いを超えて、私たちのだれにとっても可能なことです。そして、勇気をもって発信し、行動することは、考えつづけることのうえにたってのみ可能なのです。
2021/08/11
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